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傲慢さ

もし仮に、「効果は抜群だが、痛みや暑さを我慢する必要がある治療法」と、「効果はそこそこで時間はかかるが、痛みや熱さはほとんどない治療法」の 2つがあるとすれば、あなたはどちらを選びますか?

この問いにもちろん正解はありません。
治療を受ける側には、そのどちらかを選ぶ権利があるからです。
しかし、この確認が行われないまま、治療が進んでしまうケースがあります。
先日、自分自身がこの失敗をしていたことに気付き、反省しました。

自分の治療に対する考え方は、あくまでも効果を追求し、「少々鍼が痛くても灸が熱くても、良くなるから耐えなさい」という考え方でした。
ただ、それを患者さんに説明せずに、確認せずにやってはいけない。
患者さんが望めば、治療日数や時間はかかっても、治療の際の苦痛が少ない方を選択する必要がある。
インフォームドコンセント(説明して納得していただくこと)が大切」というのは、もはや医療では絶対必要なこととして認識されているが、私の場合はそれを怠り、
「効果をあげてみせるから、我慢してくださいね」と思ってしまった。
自分の考え方を結果的に押し付けることになってしまった。
ある程度自信がついてきて、うぬぼれてしまうと、こういうことをやってしまうのかもしれない。

腕がいいと評判の先生の治療を受けたことがあった。
ところが、実際に受けてみると、私の身体の反応を十分に見極める前に、ブスブスと鍼を刺しまくった。施術後は楽になったが、しかし非常に耐え難く不快な治療であった。二度と行かないな、という気持ちになった。
施術者は良かれと思って治療しているのですが、あれは傲慢な鍼だったように思う。

自分は誇るほどの技術を持っているわけではあまりせんが、どれほど実力がついても、常に謙虚でなければならない…そう思いました。「実るほど頭を垂れる稲穂」のように。
そうでないと、目の前の患者さんの心を見失ってしまうのだと思います。
しっかり反省します。


岡崎